6月2日から兵庫県立美術館が営業を再開します。
今年は兵庫県立美術館が開館してから50年目の年となります。
50周年を記念して、「超・名品展」が4月11日から開催予定でした。
しかし、コロナウイルスの影響で臨時休館となり、当然この展示会も延期となりました。
そして、6月2日からの美術館の営業再開に合わせて、この展示会も実施されることとなりました!
本日は、「超・名品展」の詳細と見所を紹介します(^^)
超・名品展とは?

兵庫県立美術館が開館してから50年の間、美術の概念や期待のあり方というものが大きく変わってきています。これは日本だけでなく世界でも同じ現象が起きています。
その中で、新しく発見された名品や、解釈が変わることで新しい魅力が付与された名品が多くあります。
その反対にオーラが減少していくことで、評価の重要性が低くなっていった名品もあります。
そして、他の地域で美術館や博物館が新しくできることで、その地域ならではの価値が見出されて名品になった作品もあります。
超・名品展ではそのような作品の評価の変化や、作者と作品への関心が離れていく様子を見ることができます。名品とはそもそも何か、名品は美術館や美術館に来る人にとってどのような可能性が持っているのかを探ろうとしています。
扱う作品の時代区分は、兵庫県立美術館が開館した50年前、つまり1970年前後です。当時の美術状況と、なぜそのような評価されたのかを探ることが目的とされています。
また、この期間の美術の流れが大まかに把握できる構成になっており、兵庫県内の美術を考える上で重要な作品、県立美術館の収蔵品のうち50年の間で評価が確立した名品なども紹介されます。
超・名品展の見どころ

この展示会には見どころが4つあります(^^)
早速順番に紹介していきます!
時代をさかのぼって
50年の間の調査や研究によって改めて評価された作品、作家の再評価が行われるきっかけとなった新しく発見された作品、時間が経っても変わらない魅力を持ち続ける作品などを中心に展示されています。
時代は明治中頃から明治末・大正初頭までの幅広いっ作品が紹介されています。
その展示されている作品を少しだけ紹介します。
高橋由一《豆腐》
高橋由一は、誰もがよく知っている物や風景を絵に描いて毎月展覧会を開いていました。
自分が油絵を本物のように描けるというスゴサをみんなに知ってもらいたかったそうです。
そんな高橋由一の作品の中でも有名なものが「豆腐」です。豆腐を書いた絵はこの絵以外に存在しないのではないでしょうか(^^)
ちなみに、50年前の開館記念でも展示された名品だそうです。
小山正太郎《濁醪療渇黄葉村店》
教育者としてよく知られる小山正太郎の描いた絵です。
「濁酒が渇きを癒してくれる、黄葉の村の小店」といった意味のタイトルがついているそうです。
日本の近代美術史上では損な役回りの人でしたが、この絵は小山への評価を一変させました。
この絵がきっかけになり、小山とその周囲にいた画家たちが同じ頃に描いた作品の魅力も評価されるようになった。そんな一発逆転のエピソードをもつ作品です。
芸術と芸術家の時代
大正期を語る上で外せない個性派作家の作品、1980年代以降の調査、研究によって存在がはっきりとしてきた作品を展示しています。
合わせて、50年の歴史の中で作家と作品の関係が整理されていく様子を見ることができます。
その展示されている作品を少しだけ紹介します。
佐伯祐三《リュクサンブール公園》
佐伯祐三は30歳という若で亡くなりました。死ぬ間際の不思議な状況などを知ると悲劇的な画家と思ってしまいます。しかし、佐伯は恵まれた生活をしてきました。
本作は佐伯がパリで生活していたときに描かれました。慎重、強靭な造形力も感じられ、佐伯が亡くなった後、すぐに発表されて注目された作品のひとつです。
大衆と巨匠の時代
昭和期に入って美術の独立ジャンルとして認知された写真や版画を交えながら、大衆に支持された巨匠、大家の作品を展示します。
その展示されている作品を少しだけ紹介します。
安井曾太郎《座像》
この絵を見た時の第一印象は、キレイな若い女の人が美しいキモノを着て行儀よく座っている。ですが、そんなありがちな絵だと思ってはいけません。
この絵には、自身の絵の描き方をすみずみまで貫こうとする画家の執念がつまっていて、これ以上うまく書く事はできないと思えるほど、作り込まれているそうです。
美術館と歴史化の時代
戦後間もない頃から1970年までの作品を展示しています。
現在の時代だからこそ評価され、名品の位置まで上り詰めた作品群を見ることができます。
その展示されている作品を少しだけ紹介します。
篠原有司男《女の祭》
派手な蛍光色、プラスティックのかんざし、テンガロンハットと祝の手拭い。すごく派手な作品で、今や日本のポップアートの代表作と言えます。
人の真似をしてつくるイミテーション・アートを経て、明治初期の錦絵をヒントにして書かれたものが本作となります。
6日間の限定開催

超・名品展は兵庫県立美術館が営業再開となる6月2日から6月7日までの6日間限定での実施となります。
そして、特別展の観覧ではスムーズに入館できるように予約制度を導入するそうです。前日の17時までの事前予約が推奨されており、予約なしの来館は混雑状況によって待ち時間が発生するということです。
もちろん新型コロナウイルス感染症対策も行いながら営業されるので、予約なしだと最悪入れない可能性もあるかもしれません。
なので、参加する方は必ず予約をしてから参加するようにしてください(^^)
まとめ
開催期間はものすごく短く、予約なしでは入れない可能性もあります。
しかし、50周年の展示はぜひに見にいきたいです!
とはいえ、同じことを考える人も多いかもしれませんので、コロナウイルス対策は必ずするようにしてください。
それでは、気をつけながら楽しんでください(^^)
兵庫県立美術館
住所 :兵庫県神戸市中央区脇浜海岸通1丁目1−1
電話番号:078-262-0901
営業時間:日火水木 10:00~18:00
金土 10:00~20:00
定休日 :毎週月曜日
コメント